Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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第28話 「点取ってください」

(あらすじ◆市民リーグ1部残留をかけた天王山、2点差を追いついて意気上がる俺達。
一気に大逆転といきたい所だが全体に疲労濃く、決め手の石川がメンタル的問題で精彩欠き始める。
しかし相手も同じようなもの。残り時間わずか、我慢比べの消耗戦を制するのはどっちだ?)

 →前回のお話

<登場人物>

前山さんの奥さん・・・息子の圭くんと一緒に全試合観戦。チーム一番のサポーターと言えなくもない。
サッカーの事はよく知らなかったけど、最近『戻りオフサイド』を理解。石川に教えてやってください。

11番・・・バティストゥータに憧れて肉体改造、強靭なフィジカルを手に入れた。
決定力の問題はあるけど良いFW。そろそろ市民リーグが物足りなくなってきたか?




ここまで(三上がサボってた分)守備に忙殺されていた左サイドバックの前山さん、足がつって倒れこむ。
プロなら外に出して試合続行の場面だけど、こういう時は敵味方関係なく助け合うのが市民リーグの約束事だ。

黒沢さんと相手11番で手伝って、前山さんの足を伸ばしてやる。俺達に代えの選手はいない。
前山さんの奥さんが心配そうに眺めている。子供の圭くんはアリの巣を見つけたらしくそっちに夢中だ。

「先輩・・・」そんな中、石川が思いつめた表情で声をかけてきた。
「もう、駄目です・・・」唐突な物言いに、俺はリアクションを返せない。
「おれ、もう今日は駄目です」奴は言い直した。

「駄目って、何がだよ」ようやくニュアンスをつかんだ。が、真意をはかりかねて聞く。
「今日勝ったら、残留なんすよね」
「いや、まだわかんないけど少し楽にはなるな」
「前山さんも黒沢さんも小玉さんも、先輩も頑張ってるじゃないすか。それなのにおれ、寝坊しちゃって
足引っ張って・・・。おれが点取って勝っても、皆嬉しくないんじゃないかな」大真面目な顔して言う。

どうしてそんな考えになるんだ。寝坊したからこそ、お前がやるんだよ!
という言葉を、俺は飲み込んだ。理屈の通じる奴じゃない。


「・・・先輩、点取ってください」
「は?」またこいつは何を言い出すんだ。
「先輩、チームの大黒柱じゃないっすか。皆の事本当に良く考えてて、尊敬してるんです。
だから今日先輩が点取って勝って、残留する。それって最高じゃないっすか!」
待て、意味わかんねえ。誰が取ったってゴールはゴールだろ。チームが勝てれば俺はそれでいいんだよ。

「おれ、オトリになるんでどんどんシュート打ってください!」
いやいや、勝手に話進めるな。それに自慢じゃないけど、俺はシュートがド下手だ。知ってるだろ?

MFにかかわらずここまでの16試合、得点ゼロ。しかも数少ないシュートは全て枠を外れるかキーパー真正面。
パスなら大体(あくまでも大体)狙った所に蹴れるのに、シュートだと何だか身体がいう事をきかない。
サッカーを始めた中学時代からこの調子で、原因はよくわからない。

(次回へ続く)

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