Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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第23話 「根深い事情」

(あらすじ◆エース石川の得点で追い上げムードも、残り時間少ない。
市民リーグ1部残留に黄信号の中、絶好の位置でFKを獲得した。
ファウルを取った際に俺は少し負傷したようだが、おそらく大丈夫だろう)
 →前回のお話

<登場人物>

米村さん・・・加齢による衰えか、根本的な運動神経か。FWとして味方をイライラさせる場面多数。
それでもメンバー不足なうえ、原則として市民リーグに「戦力外」は存在しない。いい人だし。
彼がごくたまに点を決めると、俺達の士気は異様に盛り上がる。




ゴール正面20mくらいの位置でフリーキック。流れ的にも悪くない。

「おれ、蹴りますか?」まだ心配そうな顔の石川が訊いてきた。
「いや、いい。前で競ってくれ」
「わかりました」背番号9は生真面目に頷くと、前線中央の密集地帯へ分け入る。
奴が蹴れば直接決めるのも可能だが、十中八九そうしない事も知っている。

石川は図抜けた能力を持ちながら自分の得点を極力、避ける。
特に「ゴールを取ってしまった後」、その傾向は顕著になる。
理由はわからないけど、おそらく昔何かあったんだと思う。

『チームのため仲間のゴールをお膳立てするか、自分が点を取るか』の間で、いつも無駄な葛藤をしている。
俺なんかは「馬鹿野郎、お前ぐらいの力があったらバンバン打つし、本気でプロを目指すよ」と言いたいけど、
奴の表情やプレーぶりから何か、根深い事情のようなものが伝わってくるので口には出せない。

競った試合の終盤、石川が打たず米村さんあたりへパスしたばっかりに
(またこの米村さん、面白いようにシュートを外す。決定率は35本に1本ぐらいじゃないだろうか。
数m先へ押し込むだけなのに外したり、ボールに乗っかっちゃったり、軸足にぶち当てたり
実にバリエーション豊富だ。もっともここまでノーゴールの俺が偉そうに言える立場じゃないけど)
落とした試合は数多くある。残留争いに首を突っ込んだ一因となった。

(次回へ続く)

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