Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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第17話 「石川、コノヤロウ!」

(あらすじ◆1対3と逆転された後半。市民リーグ2部降格もちらつく中、待望のエース石川が到着!
・・・のん気に前山さんの子供と相撲取ってやがった。兎にも角にも勝負はこれから)
 →前回のお話

<登場人物>

圭くん・・・前山さんの息子で、幼稚園年長組。いたずら盛りのマスコット的存在である。
相撲好きはお爺ちゃんの影響。お気に入り力士は豪栄道に、若の里。
チームでは石川と米村さんになついている。
古田くんにも興味あるらしいが、近づくのは怖い模様。正しい判断だ。



待ちわびたエースの、あまりにも間抜けな参上ぶりに頭がクラクラした。
しかしすぐに気を取り直し、9番の背中をどやしつける。「石川、コノヤロウ!」

我ながらドスの効いた声になってしまい、皆の注目が俺に集まる。
前山さんの子供、圭くんは早速このフレーズが気に入ったらしく「いしかわコノヤロウ!」と、
小さな手で石川をポカポカ殴っている。当の本人は寝グセボサボサ頭をかきながら、バツの悪そうな表情。


ともあれ絶対的エース・石川の姿を見て、俺も含めたチーム全員が心底ほっとした。大竹なんか泣きそうだ。
そんな中で辺見さん、素早く主審に駆け寄り「9番、インです」と告げる。うーん冷静。

俺達の9番がピッチに入った。
怒られると思ったんだろう、身を小っちゃくして俺の方にノソノソ近づいてくる。
「本当、すんません・・・」
「・・・まあ、仕方ねえけどさ。にしてもまた相撲って、」
「違うんっす!」石川が食い気味に言い訳を入れる。

「おれ、すぐ試合入ろうと思ったんすけど、圭くんがはっきょい!って、
やってくるもんだから相手しなくちゃって、1回で終わらすつもりだったんすけど圭くん、
まだまだっ!て。で、少し勝たせてあげないと可哀相じゃないっすか。それで・・・」
しどろもどろで自分が何を言ってるかわからなくなってる。怒る気も失せてしまった。

「もういいから。遅れた分やってくれ」
石川、救われたような表情でうなずく。
この言い訳で俺が納得したと、本気で思っていそうなのが怖い。

「先輩、今どんな感じっすか」
「うん、3―1で負けてる」
「あー・・・厳しいっすね」
(ほとんどお前のせいだろ!)俺は即座に奴の寝グセボサボサ頭をひっぱたきたくなったが、
これで石川、なかなか傷つきやすい。ひとまず冷静になって作戦を手短に伝える。
「3点取って、相手も少しゆるくなってる。俺がボール持ったら一発カウンターぶち込むけど、走れるな?」

「あいっす」気の抜けた返事だが、走り出せばこいつは凄い。
これまで幾度となく敵を混乱に陥れた背番号9を、誇らしく眺めた。
・・・足取りがフラフラしている。大丈夫か?

(次回へ続く)

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