Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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今日は、ボランティアに参加してみようかと思っている人へのメッセージみたいなものを。

タダ働きこそ最高だ

一般的な話だけど、ボランティアをやっていると「えらいね」と言われることがある。

ついでにいうと、僕はこの年までずっと、仕事もせずにある資格試験の勉強をしていたんだけど、
よく友達から「ずっと勉強してて、夢を追い続けていて、えらいね」と言われた。

けれど僕は、その言葉を聞くたびに、何か違和感を拭えずにいた。
勉強を続けることがどうして「えらい」んだろう、って。


僕は自分一人のワガママのために、就職もせず、親や恋人に迷惑をかけ続けていた。
それは、世界の何の役にも立っていなかった。僕は僕のためだけにそれをやっていて、例えてみれば、
休みの日に趣味でこつこつプラモデルを作っている人への「えらいですね」と、同じに聞こえたのだ。

えらい、ってそういうことじゃないだろうと。
人にサービスを与えたり、感動を与えたりする人に対する肯定的評価の言葉だろうと。
僕は結局その試験を諦めてしまったのだから、本当に「えらく」ない。そう思っている。


ボランティアはサービスの提供だし、クラブの役にも立っている。
だけど僕は、ボランティアで「えらい」と言われることにも妙な違和感を持っていた。
なんでだろうと、しばらく考えこんでしまった。

そして思いついた。僕はボランティアの仕事を、何よりも、自分のためにやっている。
僕がここにいるのは、結局のところエゴだ。大好きなスタジアムにいるのも、
お客さんを笑顔にするのも、試合の呼吸を感じられるのも、全部自分の喜びのため。

そのために多少の苦労をするのは当たり前だ。
草野球が好きな人が、「バット振ると疲れるなぁ」と言っているのと同じように。


世間一般の仕事やお手伝いは何のためにするかっていうと、それは外からもらえる「報酬」のためだ。
心理学っぽい言葉で、『外発的モチベーション』ともいう。

やったことへの給料やお駄賃、感謝や賞賛。
そういったものが欲しいから、もしくは怒られるのが嫌だから、
仕事自体は別にやりたくなくても、なんとかかんとか頑張れる。

趣味はどうだろう。趣味はだいたい、やっても何ももらえない。
でも、やりたいことをやってる最中や終わったあとで、自分の中から勝手に喜びが湧きあがってくる。
それは『内発的モチベーション』なんて言葉で表される。


単純作業をするとき、前者の『外発的モチベーション』には結構な効果がある。
つまり、同じ作業を繰り返すなら、報酬が高い方がやる気も能率も上がるわけだ。
でも逆に、クリエイティブな作業をするとき、『外発的モチベーション』はあまり意味がない。
むしろ報酬が高いほどクリエイティブな仕事の効果を落とす、なんてことまでわかってきている。

ボランティアは単純作業?クリエイティブ?どっちだろう。
少なくともうち(水戸)の場合は、クリエイティブな活動だと思っている。
時間によってやることはどんどん変わってくるし、自分なりの順番を考えなきゃいけない。

掲示物はどこに貼るか、掃除はどのくらいやるか、お客さんにどういう言葉をかけるか。
完璧なパターンはないから、自分たちで工夫する。
というか、全ての作業に完璧なマニュアルができてしまったら、多分僕はもう来ない。


そこまで考えてみたらふと、これからボランティアをしようとしている人たちに、
伝えておきたいことができた。つまり、外からの報酬、尊敬とか評価とか、
そういうことを期待しないほうがいいですよ、っていうこと。

でも、そのかわり、作業そのものに楽しみを見出せる人にとっては、
ここは本当に、感動するほど素晴らしい現場だ。

Jリーグの試合運営の一部を自分がやってるんだという喜び。地域を越えたつながり。
サッカーを愛する人たちと、楽しみや悩みや、いろんなものを共有できる。


お客さんはみんな笑顔でいてくれるとは限らないけど、
心の中で楽しんでくれる人は、間違いなくたくさんいる。
その、見えない笑顔を支えているという幸せは、何物にも代えがたい。

もちろん僕だって、感謝されるのはものすごく嬉しい。
お客さんから「あなたは素晴らしい」という意味じゃなく、「私は楽しんだよ」のメッセージを
多く受け取れたら、それは内側から湧き出る喜びを倍増させてくれる栄養剤だ。
同じボランティアスタッフからもらえたなら、そんなのもうドーピング級だ。


だから、もしボランティアに興味を持つ人がいたら、僕は一つだけ、聞いてみたい。
チームのために何かしているだけで、楽しいって思えますか?
「イエス」「どちらかといえばイエス」がつく人には、この現場は絶対におすすめだ。

拘束時間は長いけど、楽しい時間がそれだけ長い。
選手と話せることはまずないけど、空気感はとんでもなく近い。
しんどい作業もいろいろあるけど、そのぶんやりきった感は十分ある。
しかもそれを他の人、仲間たちと共有できる。

新しいことを思いつけば、結構実現できる。
楽しいことやってお金はかからないし、それどころかなんとお弁当までもらえる。
少なくとも僕は、そんな現場が大好きだ。


お金も貰わずに笑顔で働く連中は、はたからみれば「変なやつ」だ。
でも世の中、そういう変なやつが結構たくさんいる。
ほんのちょっとの勇気でその中に飛び込んで、中から世界を覗いてくれたら、
実は全然変じゃないし、最高に素晴らしい場所だってことに気づけるかもしれない。

タダ働きこそ、最高の喜びを与えてくれる。僕はそう思う。

by ルーキーW

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