Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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高校サッカーを題材にした漫画、『我らの流儀』をふと思い出しました。15年ほど前の作品です。
当時まだ主流だった「蹴って、走って、競れば勝ち」という価値観に反旗をひるがえし、
公立の進学校がプレッシング、ポジションチェンジを多用したパスサッカーで選手権優勝を狙うというもの。

戦術論が世間に浸透した今なら受けそうなテーマですが、1996年あたりはサッカー漫画全般として
『破天荒なFWが騒動を巻き起こしながら、ピッチで大活躍!』の構図から抜け出せず。
主人公が『理想とエゴの間で揺れる秀才司令塔』という面倒臭い設定では、あまり売れなかったようです。

野洲高校のセクシーフットボールが日本中をあっと驚かせたのは2006年。
漫画を発表する時代が早すぎたと言えます。作者の大武ユキさんは現在『フットボールネーション』で
「日本人の走り方は根本的に間違っている!だからシュートが枠に飛ばない」と
大胆な理論を展開、これも非常に面白い。ぜひ読んでみてください。

『我らの流儀』に出てくる印象的な場面として、予選で主人公のチームが県下一の強豪と対戦したくだり。
古典的なキック&ラッシュでゴリゴリ押してくる相手を、上手くコントロールしながら進めるも、
味方のボランチが罠にはまって退場処分。ワンチャンスを生かし先制するが、終了間際追いつかれ延長戦。

守備に忙殺された疲労と、理想のサッカーができないストレスで投げやりになりかけた主人公を、
相棒のFWが「こんなつまんねえゲームどうでもいいって、考えてるだろ。俺は嫌だぜ!
ここで勝負を捨てるのなら、男としてお前を軽蔑する!」と一喝します。

頑固な主人公もついに割り切り、否定してきた『タテへのロングパス』を出す。
信念持って積み上げた形を捨てるのは断腸の思いだけど、最後には何よりチームの勝利を優先したと。


サッカーの流行として、少し前までバルセロナの『ボール保持率で圧倒する』スタイルが
高く評価されましたが、最近は「やはり守備から」と見直されてきました。
世の中と同様、戦術の進化というか変化も実に目まぐるしい。

右に習えで流行を追い求めるのも無駄ではないけど、全て中途半端のまま迷走するのは身にならない。
水戸で柱谷監督が交代枠をなかなか使い切らないのは、その辺に理由があるのかもしれません。
まず確固たるベースを築き、それを表現できるメンバーから順にピッチへ送り込む。
ギャンブル的な用兵は一時的に効果があっても、先々必ず先細りすると。

Jリーグにおいてここ10年、「相手の良さを消すサッカー」が効率的に勝点を稼いできたけれど
昨年の優勝は『ポジショニングの妙』を磨きに磨いたサンフレッチェ広島。
以前に比べ『削り削られセットプレー』という戦法が、通用しにくくなっています。
お金があってもポリシーの無いチームは、淘汰される時代に入ってきたのかもしれません。

水戸ホーリーホックは長らく『水戸ナチオ』の堅守を特徴としてきましたが、絶対的武器とは言い切れない。
どちらかといえば攻撃のタレントが少ないから、守備的にならざるを得なかっただけだと。

ピッチ内外を問わずはっきりした特色を出しているクラブは、現在とても少ないと思います。
逆に言えば、いち早く自分のカラーを身につけたチームが今後リードしていくと。
それは「限界以上に頑張る」鳥栖のメンタルや、「地域還元の面白イベント」川崎の企画力など
戦術以外の面でも当てはまる。いかに『我らの流儀』を貫き、共有していくかがカギとなる。

遠回りの美学を取るか、なりふりかまわぬ結果を追い求めるか。これは永遠のテーマです。
何となく惰性で進んできた者は、分かれ道で途方に暮れてしまうでしょう。
しかしぶれずに積み重ねてきた者は、ギリギリの局面でも自分なりの『正解』を選び取るはず。

水戸は今まで貧しい環境に翻弄され、ポリシーを抱く余裕すらなかった。
しかしこれからは信念を通し、その環境自体を変えていく。

我々の強みは何か?どう伸ばしていったら良いか?
本気で考え、行動すべき段階に入りました。

「チカラをひとつに。 -TEAM AS ONE-」

by 小番頭・K

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