Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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1年前。
普段と変わらない金曜日だった。途中までは。
「日曜は味スタでヴェルディ戦だな・・・」などとぼんやり考えつつ
営業先でお客さんを待っていたところ、建物が前後左右に揺れ始めた。

小さい頃から地震に慣れてたつもりで「やれやれ、またか・・・」半笑いでやりすごそうとしたものの、
一向に収まらずかえって大きくなっていく。やがて椅子に座れる状態でなくなった。
事務員さん達が悲鳴を上げる中、駐車場へ避難したらもう立つ事もできない。
「外にはしがみつける物がないんだ」、馬鹿みたいな事を考えながら
茨城県庁ビルがユサユサ揺さぶられる様をただ眺めていた。

ひとまず揺れは落ち着いたかと自己判断し、営業先の総務課長に「じゃ、また連絡します」と
呑気な言葉をかけつつ自社に戻ろうと車に乗る。電話は不通。
「帰るの?危ないよ」と心配されたけど、何とかなると思った。

信号灯が消えた、渋滞の町を走る。
断続する激しい揺れに、ハンドルどころか車ごと持ってかれる感覚。
純粋に「怖い」と感じた。

社に戻ると、皆ヘルメットをかぶって待機している。
書類の散乱した事務所を片付けようとしたけど、どこから手を付けたらいいかわからなかった。
「とりあえず明日にしよう」。部長に言われ定時を待たず全員帰宅となった。

18時に茨城町のお客さんと約束があって、一瞬向かおうと思ったけど
道路の様子を見てとても無理だと悟った。お客さんの携帯が留守電にはなったので
「申し訳ありません、また後日ご連絡してお邪魔します」とメッセージを入れた。

自宅まで徒歩で1時間。崩れた屋根、ブロック塀、断層のできた道路。手をつないで歩く親子。
これは水戸の町か。いかなる状況も飲み込めないまま、腹をくくってアパートの鍵を開ける。
室内は奇跡的に被害が小さかった。掛け時計が落ちてたけど、電池を入れたら動いた。

電気もガスも点かない。水道は最初出たけど残量が乏しい。
会社から持ってきた非常袋に入ってたのはロウソク、乾パン、賞味期限の切れかけた水。
助かったと心底感じる。散々な夜だと、為す術なくとても早い時間に寝た。

3月12日は晴れていたと思う。何もする気になれず、外に出る勇気もなくただボンヤリするのみ。
昼過ぎに部屋の電気が復旧する音が聞こえた。テレビを点ける。
「?????」映像の意味しているものがわからなかった。
繰り返し観るうち、いちばん酷い被害を受けたのが茨城じゃない事だけは掴んだ。

携帯を開くと全国の友達から心配のメールや着信が沢山入っていた。
宮城や岩手からのメールもある。ただただ「申し訳ない」と思う。



あれから忘れてしまった事、忘れつつある事、忘れられない事、忘れてはいけない事を
ないまぜにしながら、私は生かされてきた。
働く場所がある、サッカーに関われる。今でも有難いと思ってるけど、心からの感謝が薄れている。

自分とは比べようもなく、苦しんでいる人達がいる。わかりきってるのに。
前向きなメッセージを隠れみのに、他人事で済ませようとしている。
「何もしない」を「何もできない」へすり替えて、誰かに赦(ゆる)されようとしている。

醜い。浅ましい。誤魔化して生きてるのが嫌だ。

私も含め、多くの人が『今できる事』という、大きなテーマの前で立ちすくむ。
笑顔で、元気に、明日を信じて。
だけど心を萎えさすようなニュースが、次から次へと入ってくる。

『怪しいと薄々気づきつつ、何となく大丈夫と信じていたもの』が、あっけなく崩れてしまう昨今。
多くは幻想だった。化けの皮がはがれた現実は、寒くてグロテスクなものばかり。
見たくもなかったし、知りたくもなかった。だけど見てしまった以上、無視を決め込む厚顔さもない。

メディアに流れる「がんばろう」は綺麗ごと、著名な人の善意はまず疑いたくなる。
心はここまで荒れてしまった。
自棄な気持が湧き上がってくる。どのみち駄目だ、もう終わりだ。

・・・だとしたら、自分が毎週のようにスタジアムに通った理由は何だろう。
惰性といえば惰性だけど、何かを信じ続けていた気がする。
夢?寒いな、今年幾つになると思ってるんだ。
サッカー?ボール蹴りを観る前に、もっと世の中のためできる事があるだろう。

しかし皆知っている。世の中からすべての「無駄」を省いたら、何も残らなくなってしまうと。
11人と11人がボールを追いかけるのに大した『意味』はない。
それでも必死でやるから『意義』はある。

「大切な人と子供たちを笑顔に。一瞬でも、一度でも多く」
私が1年かけてようやくたどり着いた答えが、これだ。つくづく頭悪い。
頭の悪い分は動いてカバーしようと思う。ピッチ上の選手と同じテンションで。

何をもって『復興』なのか、未だわからない。
だけど水戸ホーリーホックはチーム消滅の危機から力強く立ち直り、Ksスタも復活した。
そこに答えはないかもしれないけど、ヒントは隠されてるように思える。

生かされたのなら、この命をしっかり使おう。
自分が子供だった頃はまだ夢に溢れてた。すべて嘘だったのかもしれないけど、説得力はあった。
綺麗ごとに行動を伴わせる、長い闘いがこれからも続くんだ。

意味はわからない。
でも私はKsスタに行く。


by 小番頭・K

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