Jリーグクラブ・水戸ホーリーホックを裏方としてサポートする、ボランティアスタッフのブログです。

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あれは11歳の頃だったか。子供会のソフトボールチームに馴染めず、半年で辞めてしまった夏。
私は何をするでもない長い夏休みを、去年も観た『タッチ』の再放送とか眺めつつダラダラ過ごしてた。
それを見かねた父が、唐突に5000円札を手渡し「これで何処か行ってこい」と告げた。

予測不能のキラーパス。行き先の当てもなく、リアクション困ってる私に助け舟のつもりか
「福島にリカちゃんキャッスルって、あるから。話の種にどうだ」
何故そこで『リカちゃんキャッスル』をチョイスしたのか、父の真意は今もわからない。

私は私で、なかなか素直な反抗期だった。「わかった。行ってくる」と身支度もそこそこに
空っぽのリュックに地図と『写ルンです』だけ放り込み、『進研ゼミ』の景品で貰った緑の財布に
5000円札入れて家を出た。さしあたり、空は晴れていたと思う。

それまで一人で電車に乗った事はない。リカちゃんキャッスルの最寄駅『小野新町』まで
「水郡線 → 常磐線 → 磐越東線」と乗り継ぎ、小5のガキには結構な冒険だった。
日立から北茨城にかけての海のパノラマは、20年経った今も目に焼きついている。

約3時間かけて小野新町に到着。観光名所というほどでもなかったので、駅で降りたのは私含め3人。
ほどなく田んぼの中にデカデカと『リカちゃんキャッスル』と書かれた、ピンク色の看板を発見。
・・・急に恥ずかしくなってきた。私は父の指令を無視し、とりあえず北へ向かって歩く。
キラーパスをスルー。それじゃゴールは何処なのか?地図は何も答えてくれない。

駅で買ったマスカット味のガムをエンドレスで噛みながら、エンドレスな田んぼ道を行く。
自販機の三ツ矢サイダーで水分補給。さして面白味のない県道19号線の風景を『写ルンです』で撮影。
思えば何もかも緑色だ。昼は食べたはずだが覚えてない。確かデッカくて甘い菓子パンだった気がする。

結局イベントもないまま、2駅先の『菅谷』まで歩き通した。改めて地図を見返すと約10Km踏破。
「どうしてこうなった」。いわきや郡山でも良かったし、ズルだけど近場で友達と遊ぶ選択肢だってある。
半日、そして5000円かけて何の楽しみもない『行軍』。だけど11歳の私に後悔の気持ちはなく
地元に帰ってみると、生まれ育った町が少しだけ小さく見えた。それで良かったんだと思う。



11歳の私は31歳になった。生まれ育った町のサッカーチームに、ボランティアという身分で関わってる。
あの日汗たらして歩いた福島の地は、『原発』という得体の知れないイメージで染められてしまった。
地元に帰れない人がいる。もう友達と遊べない子供がいる。行き場のない気持ちを抱えた自分がいる。

ニュースで「福島」という言葉を聞くたび、胃の辺りがキリキリ痛む。
隣の県なのにとても遠くなってしまったような。いや、遠ざけてるのはこちらの方だ。
何か自分にできる事はないのか?敵は巨大な発電所と、放射線と、絡み合う根深い利権。
・・・ヘタレな事この上ないが、状況を把握するだけでヘナヘナと、戦意が萎えてしまう。

「それでも行こう、福島へ」日に日に強くなる思い。ヘタレな私にできる事は?
原発に立ち向かえるだけの力が今はないけど、それに伴う地域全体の暗いイメージを払拭したい。
あえて私は『観光』する。行った町で、なるべくお金を使おうと思う。


誰に頼まれたわけでもなくかえって顰蹙(ひんしゅく)買うかもしれませんが
以上の経緯で水郡線に乗り、福島県の町を歩いてきました。
写真を交え、シリーズでお届けします。

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「チカラをひとつに。 -TEAM AS ONE-」

by 小番頭・K

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